技術の乱用は体の自然や命を傷つける

 

ある日、産後に私の整体を受けたい依頼がありました。
普段、産前産後の整体の依頼がほとんどないので、知識や経験が不足していることを、ご家族に伝えて、了承を得てから依頼を受けました。


産後1週間目にご実家に伺ったところ、彼女は、とても辛そうで座ることもできず、左足の感覚はなく、顔は真っ青で悪寒で寒そうにしていました。命の危険を感じるほど、かなり衰弱していました。

 

以前に私は、掛け布団も動かせないほど、かなり衰弱した人を観た経験がありますが、それをはるかに上回るほど悪い状態でした。私も彼女自身も死の可能性も想像できるような状態でした。

 

彼女は、長年ある地方で有名な先生の施術を受けていて、出産も有名な助産院を選びました。体は丈夫な方ではなく、高齢なので最後の出産の予定でしっかり準備をしてきたので、今までで一番楽だった出産でした。それなのに産後は危険な体の状態でした。

 

調べていくと、産後の二日目に腰痛がでました。そこで助産師さんが良かれと思って、外部で習った施術をすると痛みが増して、別の方法に変えても痛みがとれないので、合計6種類くらいの療法など、いろいろと行うごとに、どんどん体調が崩れていったようです。助産師さんの技術の乱用が裏目にでてしまったのです。

 

もちろん助産師さんは善意で行っています。助産師さんは愛と善意で一生懸命勉強して役立てようとしました。

 

しかし、彼女は結局言わなかったので、助産師さんはこのような事態を起こしていることは知りません。自分がミスをしてしまったこともわからず、現在も未熟な施術をしているでしょう。

 

つまり、ミスも気づけないほど未熟なのです。

 

私は以前、整った産後の体を観させていただいたことがあり、生命の神秘に、野口晴哉先生の書かれていることは本当だと感動したものです。

私は起きてしまった事の重大さ、産前産後の心身の状態のあまりの差、助産師の仕事を信頼していたことから来るショック、今後の処置などで眠れませんでした。普段、彼女に施術をしている先生も、ショックだったそうです。今後このようなことが起きてほしくないと、夜な夜な思わずにはいられませんでした。

 

私は出来る限りの善処はして、いくつか対策をたてて、体調がある程度もどれば、再度、出産することを視野に入れるなど、ご家族に提案しました。早急に対応・対策をして、彼女は現在は大分良くなっています。

 

産後の不調は男性や家族にはなかなか伝わりづらく、今回は特殊なケースであり、また出産という出来事で、家族もお母さんも疲れきっているので、丁寧に不安にさせないように何度もこの危険な状況を説明しなければなりませんでした。

 

彼女は達人の先生に観てもらい、命の危険を脱することはできましたが、不調の中で、子育てや家事などをしました。先生からも、再度、出産するようにアドバイスされました。

 

産後、三ヶ月目くらいに、子供を教育機関に送迎するために、車を運転していたそうです。町の運転は大丈夫だけれど、山を越えなければならないので、山道を運転していました。すると他の車からクラクションをすごく鳴らされて、はじめは意味がわからなかったそうです。ある瞬間、自分が対向車線に大幅に入るくらい、蛇行運転をしていることに気づいたのです。間違いがあれば崖に転落していました。

 

産後の間違った施術によって、自分が平常通りに運転しているつもりでも、実際は蛇行運転をしていることに全く気づけないくらい、骨盤が大きくズレてしまっていたのです。

 

産後疲れで骨盤や骨盤周辺の筋肉群などがゆるんでいる時に、未熟な技術の乱用によって、交通事故以上の複雑な歪みが、体の内部で生じてしまったのです。

 

その後、体調が戻らないので出産をして骨盤の歪みをリセットされました。出産できるほど回復できたことは、達人先生の指導と奇跡だと思っています。

 

今後、産前産後でこのようなことが起きないでほしいと切に願っています。

 

 

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